日本国憲法という音楽

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先月、故・ペペ吉弘さんが結成されたバンド、羅生門の「日本国憲法《平和・自由・愛》」という
アルバムを手元に頂きました

独特なジャケットの世界観と、現行の「日本国憲法」コンセプトにしているという点で
CDをかける前から私の興味を強く引いたけれど、その昔、GSのバンドでハプニングス・フォーの
前座をさせて頂いたことなども思い出しながら、実際聴いてみたらすごく良い作品だったので、
個人的な感想を書いておきます♪
(……ペペさん、少しお話しさせて頂いたけど腰が低くて優しい方だったことを思い出します)。

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――アルバム「日本国憲法」(羅生門)を聴いて思うこと

最初にそのタイトルを耳にした時は、「えっ!?」と正直、思った。
改憲か?護憲か?という議論が現在世の中でさかんに行われていることもあってか、
「この憲法を○○すべき」という主張が含まれていたらどうしようかと戸惑ったのである。

ところが、恐る恐る聴いてみるとこのアルバムはそうではなく、現行の(71年当時の、でもある)
日本国憲法の文章を、ただひたすら、ありのままに歌っていた。
暗いわけでもなく、過激なわけでも、主観的な思想・主張を織り交ぜることもなく、
むしろ淡々と、飄々と、大変明るく。ポップで爽やかなメロディーに乗せて。
ポール湯川さんの聴き心地の良い素晴らしい歌声。
春風に吹かれているように、あまりにも柔らかく新鮮で、そして朗らかで単純に気持ちがいい。

そして驚かされるのは、これらの音や歌によって活かされ、引き出されている言葉本来の躍動である。
思えば、小学生のとき社会の授業で清書したりテストされた「憲法」は、
固い石の壁のごとく歯が立たない感じだった。
「権利」「自由」や「義務」も、文字のまま本に張り付いて、実感できない遠い国の言葉のようだった。

それが今にも口ずさめそうなキャッチ―な旋律やリズムという魔法にかかると、
今までの固さは何だったのかというほど生気づいて、ある種の人懐っこさまで感じさせるほど心に響く不思議。
「自由」という言葉ひとつとっても、この作品の上では変幻自在に迫ってくる。
眉間にシワを寄せながら読んでいたはずの文章が、解き放たれて意味を持ち始める。
意味がわかるから、改めてこの国の憲法についてフラットな気持ちで考えることができる。

率直に言って、小学生以来、ちゃんと読み返すこともなく大人になってしまっていたが、
憲法って、「こんなにも色々なことが込められているのか」という発見もあった。
よく話題にのぼる第9条だけでなく、他に抜粋された項目についても等しく歌われているので、
同じように大事なんだということが伝わってくる。

変えるか、変えないか以前に、国民全員に関わる大事なものを内包したこの憲法が、
この国に当時あった、そしてこの時代に、いま「ある」という確固たる事実。
「ある」ということを確かに意識することで、初めて「ない」場合の可能性、または不安について
考えられることもあるのではないか?

帯の解説文にも「力」という言葉が記されていたが、この「ある」という実感こそ
憲法に限らず、音楽の持っている根本的で前向きなエネルギーなのかな、という気がする。
そういう意味で、とても力作だと感じた。
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プロフィール

菊池ともか

Author:菊池ともか
Twitter:tomoka_slvjet
夢見がちギタリスト&歌うたい。
1988年2月3日生まれ。AB型。
東京都出身。
10代半ばからギターに夢中で
様々なバンドにギタリストとして参加。
現在はソロプロジェクト
"Folk Rock Express"進行中。
愛用ギターは銀ラメのグレッチ・シルバージェット!
アコギはマーチンの000-15M☆

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