動的な神秘

rahulaeru.jpg

ライブ、リハ、レコーディングと、ギターにつぐギターライフで
正にギター一色でしたが、それはそれで楽しかったこの頃。

そんな中、ちょっと息抜きでラファエル前派展を六本木ヒルズで先日見てきました。

「ラファエル前派」って最初に見たとき、ラファエロに関係のある人たちだったり、
ラファエロに憧れてた人たちだったのかな?と私は一瞬思ったのだけど、違いました
「ラファエル前派」とは、19世紀にラファエロを規範とするような保守的な美術教育に
異を唱えた人たちの集まりなのだそうです。
つまり、どちらかというアンチ-ラファエロってことだよね。

部屋の壁にラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」を気に入って貼っている自分としては(^ω^;)、
それに反旗をひるがえした19世紀の人たちの絵画ってどんな感じなんだろう?って
正直思いましたが、実際に見て来たら素晴らしかったし、
「ラファエル前派」が「ラファエル以前」たる理由も少し理解できて勉強になったよ。

特に印象深かったのは、
まずこの記事の画像にも映っているミレイの「オフィーリア」。
シェイクスピアの悲劇ハムレットの一場面、
気の触れたオフィーリアが溺死していくところが描かれている作品。

死や狂気をテーマに描いた絵画って結構あると思うんだけど、
死の「過程」が動的に表れている点で凄い作品だと感じた!
オフィーリアの無気力なようでどこか恍惚としている白い顔の表情もさることながら、
周囲の草木や、川の水の流れ、水面に揺られて広がるドレスの感じ、
何をとってもリアルで、写実的で、生々しい。

実際に、モデルをバスタブに浸からせて描いていたという逸話も納得。
単に、「遠い物語の一場面」という枠を超えて、
「本当にそういうことがあったかもしれない」という現場の事件性を絵から感じて
ドキドキできたのは、やっぱりリアリティへの執念みたいなものが滲み出ているからかな。

あとは、同じくミレイの「両親の家のキリスト」も、同じような理由で印象に残った。
雑然とした大工の仕事場が忠実に描かれていて、理想化された「聖なる家族」ではなくて、
生活感ただよう「どこにでもいそうな家族」がイエスを中心として描かれている。

ラファエロの描く聖母子像も、美しくって綺麗で優雅で隙がなく好きなのだけど、
だからこそこの絵はすごく新鮮に目に入ったし、聖書に出てくる人物たちが身近に、
自分たちと変わらない姿でリアルに描かれているという点で新しい観点の宗教画、
聖なる人たちを「ひたすらな崇拝」の対象から「常にともに有りたい」と願える存在に置き換えた
暖かみのある宗教画だと思った。

ちなみにこんな感じの絵です。
http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=viewphoto&id=413&c=4

そして最後に好きになったのはバーン=ジョーンズの「『愛』に導かれる巡礼」!
大きめのカンヴァスで迫力も充分。薔薇物語の一場面を描いた作品。

薔薇に恋をした詩人が、その薔薇を探して愛に導かれていく様子。
よく見ると巡礼者の格好をした詩人の道はイバラ道で、進み方もちょっと猫背で心もとない感じがする。
でも、「愛」の方はしっかりした足取りで詩人の手を引っ張っているんだよね。

薔薇物語はちゃんと読んだことがないから、
この詩人が最終的にどういうことになったのか知らない。読んでみたいなと思った。

薔薇じゃないけど、何か恋焦がれたものを手に入れようと彷徨う時って、大抵イバラ道だし、
目の前が色々なものに邪魔されて塞がれてしまうことってある。
でも、そういう時に自分を導いてくれるのは、決してキザな意味ではなくて最終的には
強い「愛」しかないなあって、自分に関しても、他の人の話を聞いていても感じる。

だから、この絵画に詩人を導くように描かれている翼を生やした「愛」も、
詩人自身なのかなあっていう想像もできる。
「愛」の仕草や眼差しが強くて優しくて、なおかつ神秘的でもあったので
ポストカードを買って持ち帰りました。
http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=viewphoto&id=413&c=9

家に帰って、場所の問題もあって(笑)、
この絵は奇しくも「一角獣を抱いた貴婦人」の横に今、飾ってあります。

相反する気がするラファエロとラファエル前派だけど、並べて見てみると、
ラファエロが絶対普遍な美しさなら、ラファエル前派は変幻躍動の美しさかな!
どちらも「徹底的」な感じがするから、飽きが来ない。

勝手な感想ばかり述べておりますが、美術を専門的に勉強したこともなく、
かなり主観的な内容です。
でも、生で見るに越したことはないし、人によって色んな楽しみ方ができるからお勧めですよ

私もバーン=ジョーンズの描いた詩人のように、進んでいけたらいいなと思います☆彡

★本日の素敵
 二次元 
――「私、アニメが大好きで、キャラに恋しちゃいました☆」って言うのと、
  「私、古い絵画を見るのが大好きで、作品に描かれた男性に恋しそうになってしまうくらい…」
   って言うのとでは、同じ二次元でも全然印象違うよね笑。

  私は両方好きです。恋するほどではないけどね。

26度めの正直

ついに……この2月3日で26歳になってしまいました。
ほんと信じられない。
色々お祝いくださった皆さん、ありがとうございました。
お酒とかメッセージとかアンティークとかすごーく嬉しかったです☆彡
あと、節分生まれだけどね、恵方巻は食べなかったです!
恵方巻よりロールケーキでしょ笑!

心はいつまでも永遠にギターをはじめて触ったあの時のまま、と信じたい笑。

正直外面も内面も、成長や進化はしたいけど老けたくはないので、
キラキラしてるものを沢山吸い取って、美しいものをいっぱい取り込んで、
葛藤しながらもロマネスクな、よい夢が見れる人生でありたいです

ロマンティックに生きるって、無責任なピーターパンみたいなことじゃなくて、
実は、常に現実的なアンテナをストイックに張っていなくっちゃいけないんだもん。
身の回りのかっこいいロマンティストたちを見て、それを私は学びました。この年で、やっとそう気付いた。

でも、この「よい」っていう言葉にもなかなか色々とあって、
良い、好い、善い、酔い、宵……と浮かぶだけでこんなにあるんですけど。
つまり、世間でいう「よい」なんていうのはフワフワしてて、
宙に浮いてたり、曖昧だったり、自分に都合がよかったりして気持ち良さそうってことなんだよね。

そのままにしないで、そこから自分だけの真の「よい」ものを掴み出して創れたら、
そこで初めてポジティブな言葉として使えるんじゃないかなあ、なんてまた
理屈っぽいことを考えましたw

そんなわけで!
記念すべき26歳の初ステージは野佐怜奈とブルーヴァレンタインズにて、
2月14日深夜25時の新宿JAMにて。
ご指名をもらえて嬉しい(^ω^)
怜奈さんをはじめ、メンバーの皆さんは、全員私がハタチくらいの時からライブなどを見てきた方たちです!
一緒にできる日が来るなんて思ってませんでした。だから余計に幸せ。

私、歌謡曲がなんだかんだで大好きなんだなあって、弾きながらことごとく思った。
しかも、世界観のちゃんとある歌謡曲。
恋愛も、スケールの大きい歌詞観で描かれる情緒のある音楽。
怜奈さんの歌声、すごく綺麗で歌詞の世界が広がっていくように感じます♪

バレンタインということもありますから、
怜奈さんからご褒美のチョコレイトを頂戴できるような、甘く蕩ける、
極めてハンサムなギターを捧げなくっちゃ(*´v`)σ*(´v`*)

★本日の素敵
 野佐怜奈  「身の程知らず」
――この曲すき!女の子がどんどんポジティブに可愛くなっていく感じ。
  あと、歌詞に人ごみや高速道路が出て来たりとか、身近な恋の歌謡曲な感じがたまらなく好き。
  変なこというと、コード進行もお洒落コード満載で高速道路っぽいの笑。
  弾いてるとほんとにアーバンな気分になってくる。
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プロフィール

菊池ともか

Author:菊池ともか
Twitter:tomoka_slvjet
ギタリスト&歌うたい。
1988年2月3日生まれ。AB型。
東京都出身。
10代半ばから様々なバンドにギタリストとして参加。
現在はソロプロジェクト
"Folk Rock Express"進行中。
愛用ギターは銀ラメのグレッチ・シルバージェット!
アコギはマーチンの000-15M☆

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