続・銀色ギター迷走日記

沈める滝 (新潮文庫) (2004/04) 三島 由紀夫 商品詳細を見る

なんとなく、１回だけじゃ足りないような気がして、２回繰り返して読んでしまった小説。
ウェットな愛を誰にも抱けない、鉄や石を愛する御曹司と、不感症の人妻が
意図的に感情的な「恋愛」をしようとしたらどうなるのか？そんな物語だった。

この御曹司の城所昇という青年は電力界の名士の孫という設定で、
優秀なダムの技術者でもあるんだけど、
この「ダム」という一見「感情」や「恋愛」とは無縁に思えるものが、
実にうまく物語の鍵というか、象徴的な存在として使われている。

だって、「ダム」は巨大で、強力で、超然と大量の水を塞き止めてしまうものだから。
「水」っていうのは、常にこの上なく感情的なものでしょう？

そんな「ダム」を通して、感情の介在しない愛は存在し得るのか？という挑発に
近い問いかけを三島由紀夫から投げ付けられている気がした一冊だったなあ。

ネタバレすると、つまらなくなると思うので、
感想は下に隠しておきますね。結末を知りたくない方は見ないでください！

ネタバレしても良くて、クドい感想読んでやってもいいという方は続きからどうぞ笑↓

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